『人生の短さについて・心の平静について・幸福な人生について』 茂手木元蔵訳、岩波文庫 1980年

人生の短さについて

面白いですね。ローマ初期から人は自分の時間を生きる難しさを考えているのですね。
一瞬で変われるはずの人間の心も、2000年たった今でも変わらない悩みを人は抱えているのですね。
人は、自分達が積み上げてきた英知を学ぶことができているのでしょうか。

以下、メモ。

  • 良く生きれば人生は十分に長い。

(われわれが人生を短くしている)


1世紀においても、人は既に人生を自分のために使うことの難しさに悩んでいる。
全ての権力を持つ皇帝でさえも。


土地やお金を奪われて怒らぬものは無いが、時間を奪われて怒らぬ人間は大多数を占める


多くの者達は、他人の運命のために努力するか、あるいは自分の運命を嘆くことに関心を持っている。また、大多数の者たちは確乎とした目的を追求することもなく、きまぐれで移り気で飽きっぽく軽率に次から次へと新しい計画に飛び込んでいく。

  • 多忙とは何もできない状態であり、

心の平静であることが自分の人生を生きている時間である。と思う。

  • 幸福な人とは、理性のおかげで、よくも恐れも無い者

英知とは自然の定めにある。自然から迷い出ることなく、自然の法則と理想に順応して自己を形成することにある。